建築士事務所登録
報酬を得て建築士の業を行う場合
登録が必要です
建築士又は建築士を使用し、他人の求めに応じ報酬を得て設計等を行おうとする場合、建築士法第23条の定めるところにより、建築士事務所の登録をしなければなりません。
設計等について具体的には…
- 建築物の設計
- 建築物の工事監理
- 建築工事契約に関する事務
- 建築工事の指導監督
- 建築物に関する調査または鑑定
- 建築に関する法令または条例に基づく手続きの代理
個人、法人に関係なく無登録で上記の行為を行った場合には、懲役または罰金に処されますので、必ず、建築士事務所登録を行いましょう。また、建築士事務所の登録は、営業所ごとに都道府県知事が行いますので、建設業許可でいう大臣許可のような制度はありません。
登録要件
建築士事務所登録を行うには、「専任の建築士」(一級建築士、二級建築士、木造建築士)がいなければなりません。この「専任の建築士」のことを管理建築士といいます。
3年以上の実務経験が必要
管理建築士となるためには、建築士の資格を持っているだけでは足りず、建築士として3年以上の設計等の業務に従事したのち、登録講習機関が行う管理建築士講習を受講して頂く必要があります。
管理建築士が1級建築士であれば1級建築士事務所、2級建築士であれば2級建築士事務所、木造建築しであれば木造建築士事務所として登録されることになります。また、「専任」とは、事務所に常勤し、専ら管理建築士の職務を行うことを言います。そのため、派遣労働者は管理建築士になることができませんし、1人の建築士が複数の建築士事務所の管理建築士になることもできません。
逆に、1つの建築士事務所に複数の人を管理建築士として登録することもできません。
ただし、1人を管理建築士として登録して、そのほかの人を所属建築士として登録することは可能です。
- 1人の建築士が複数の建築士事務所の管理建築士となることはできません。
- 1つの建築士事務所に、複数の管理建築士を置くことはできません。
- 派遣労働者は、管理建築士になれません。
- 退職・異動等により管理建築士が不在となった場合には、廃業事由に該当するため、30日以内に廃業届を提出しなければなりません。
- 他の事務所の管理建築士として登録されている建築士は、当該事務所の所属建築士となることはできません。
管理建築士がいるかいなか?管理建築士になれるのか否か?という点は、建築士事務所登録を行ううえで、最も重要なポイントです。どんなに建築士事務所登録をしたくても、管理建築士がいなければ、建築士事務所登録をすることができませんので、十分に確認する必要があります。
有効期間
登録の有効期間は、5年です。有効期間満了後、引き続き業務を行おうとする方は、満了日前30日までに更新の登録申請をしなければなりません。
登録手数料
建築士事務所の登録手数料は、下記のとおりです。
登録の種類 | 区分 | 手数料 |
---|---|---|
1級建築士事務所 | 新規・更新 | 18,500円 |
2級建築士事務所 | 新規・更新 | 13,500円 |
木造建築士事務所 | 新規・更新 | 13,500円 |
必要書類
- 建築士事務所登録申請書
- 所属建築士名簿
- 役員名簿
- 略歴書(登録申請者・管理建築士)
- 誓約書
- 定款の写し
- 履歴事項全部証明書
- 事務所の賃貸借契約書の写し
- 管理建築士の住民票
- 管理建築士の前職場の退職証明(退職後6か月以内の場合)
- 管理建築士の専任証明
- 管理建築士の建築士免許証の原本
- 管理建築士講習修了証の写し
注意①:会社の目的
定款および履歴事項全部証明書の「会社の目的」の欄に、「建築物の設計・工事監理」の文言が必要になります。会社が「建築士事務所」として営業を行う以上、目的欄には、その表れとしての文言が必要になります。
注意②:登記上の所在地と実際の事務所所在地が異なる場合
事務所の賃貸借契約書の写しが必要になります。
注意③:管理建築士の選任証明
管理建築士の専任証明は、健康保険者証の写し(事業者名が記載されていること)、雇用保険被保険者証の写し(事業者名が記載されていること)などで証明します。